英国国民投票で高確率で儲ける事ができた秘密

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相場には、ごく短期間の間に大きなインパクトを及ぼす経済発表やイベントが存在する。通常、投資家たちは、こういった短期間の変動を免れようと、事前に取引をクローズしたりすることでリスクを抑えることが多い。忘れもしない2016年6月24日、英国EU離脱の是否を問う国民投票の投開票日である。しかし私は今回この必ずや荒れ狂うであろう相場に、安心確実な気持ちで対峙し、儲けることができたのである。

あなたは、この相場で予想屋の言う通りEU残留に賭け、資金を溶かしていることなどなかっただろうか?実はもっと良い方法があったのである。

■EU離脱か残留か?その予想を読み切れたのか?

では、結論として離脱する事が分かっていたのか?と聞かれれば、答えは全くもって「NO」だ。そんなことは、世界中の誰にだって分からなかっただろう。なぜなら予想調査会社によれば、直前まで、49:51などと完全に拮抗している状態だったのである。ではどうやって高い確実性をもってこの相場を切り抜け、儲けを実現できたのか?

今回はそのカラクリの全貌を明らかにしよう。

■オプション・ポジションのカラクリ

私は投開票日の約1週間前から、この日にめがけて、あるポジションを仕掛けようと準備してきた。そのポジションとは、通称「ロング・ストラングル」と呼ばれるものである。ロングストラングルとは、オプションのコールとプットを両方買い持ちする戦略だ。

ロングストラングルによる戦略は、変動が小さい低ボラティリティ時に仕込み、仕掛けた時点からできるだけ早く、できるだけ大きく、上下どちらでもいいから大きなボラティリティの変化と共に動く事があれば、大きな利益となるポジションである。この戦略には、当然デメリットもあり、ポジションを建てたものの、何日待てども相場に動きが無く、ボラティリティが上がらないような場合には、買いを入れたオプションプレミアムが日に日に目減りし、SQ日にはすべて剥がれ落ちてしまうというリスクが存在する。

ロングストラングルで損失になるとき
1.仕掛けてからも相場の変動が小さい
2.いつ動き出すのか分からず、時間(日数)だけが経過する
3.ボラティリティが上がらない

このような極端な戦略は年に何度も建てるものではない事を付け加えておく。

もちろん相場に絶対は存在しない。

しかし、この相場状況において、このデメリットは無視しても構わず、むしろメリットの方が大きいだろう!という結論に至ったのである。

■英国国民選挙でロングストラングル戦略が勝てた理由とは?

ロンストを実行する上で一番気がかりなのは、いつ動き出すのか?である。それがあいまいな状態では仕掛けはできない。しかし、今回は国民選挙の投開票日が決まっているので、その前後で必ずや何らかの情報が出てくるという事が分かっており、損益のエグジット日は明確に決められるというメリットがあった。

また上下どちらに動くかの予測として、EU離脱か?残留か?この予想調査結果がほぼ拮抗しているという事も大きな理由であった。このことから、「相場は上下どちらに行くのか全く分からない」という雰囲気が出来ていた。どちらか一方に相場を張ること自体が大きなリスクを孕んでいた。そうすると、通常日々取引している機関投資家や個人投資家は、リスクオフするために、リスクに晒しているポジションをクローズしていく動きが出てきた。そのことで、1週間前くらいから徐々に非常に低い商いの状況とになってきたのである。

⇒「ロンストは低ボラ時に仕込むべき」に合致する

⇒いつ動き出すのかは「投開票日」と明確である

次に考えるのは、いったいどのくらい動きがあるのか?である。

この投開票結果は、数値的にどちらが多いか、1票でも多ければ勝ちである。そのためにいわゆる玉虫色の結果というのは無い。予想屋の間では、離脱なら-2000円の下落、残留なら、相場の大きな戻りで+1000円は行くだろうという話もあった。

つまり、私が言いたいのは

「大きなボラティリティに必ずやなるだろう!」

という予想が投資家ならば誰でもできていたのだ!

投開票結果の発表後に、「相場はさほど動かず、ボラティリティも下がるだろう…」などという予想を立てる業界関係者は、不思議なことに誰の一人もいなかった。。そこに高い確率で勝てる秘密があったのである。

よく、米国雇用統計や日銀による発表などに代表される経済指標や発表では、「発表後に期待していたほどの数値ではなく相場は失速」のようなことは頻繁にあり、そういうときは発表前よりもボラティリティが下がってしまうのだ。

しかし、今回あるのはただ明確に、黒か、白か、である。今回の条件では、全てのデメリットがあまりにも綺麗に排除され、ロングストラングルを仕掛ける条件に合致し過ぎていたのだ。

■同様に動くオプショントレーダーの存在

悩んだことは、いつ仕掛けをおこなったらいいか?気がかりだったのは、同様に仕掛を行うオプション同業者達の動向であったのだ。投開票日の前日、前々日くらいには同様にロンストやコール・プットの買いを仕掛けてくる機関投資家やオプショントレーダーは居るだろうという予想である。オプションの買いは時間的価値が減少すると損失になるため、長い間ポジションを持っていたくないものだ。それを私は前日2日間くらいを見込んだのである。

つまり、前日2日間はオプションを買いに来るトレーダーが増えるから、その前に仕込んだ方がいいという考えだ。実際の動きは、投開票日の2週間前くらいからの日経の下落で全体的なボラティリティは上がっていたものの、1週間前になると、リスクオフのために相場は元に戻りボラティリティは下がり、その後2日前くらいからまた徐々にボラティリティが上がってきたのである。計画は結果的に上手くハマり、ボラが比較的低い状態でロンストを仕込むことができたのである。

■結果的に、EU離脱が決定し日経は約1500円の暴落

実際に取引していた結果はこうだ。

6月21日の建玉
コール17500買い 1枚 40円
プット14000買い 1枚 60円

これが6月24日のうちに以下の様なったのだ。

6月24日に逆決済
コール17500買い 1枚 20円
プット14000買い 1枚 250円

コール買いは損失であるが、プットの利益が余りあるほどになったのだ。実にたった3日間で、1枚づつのリスクで +17万円である。この取引にリスクはなかったのだろうか?それはもちろん存在した。単純計算での最大リスクは約10万円(4万円+6万円+手数料)である。しかしこれを数字通り取ってはいけない。事実はもっとリスクは少ないのだ。

これは何も動かず、何日も経過してSQでゼロ円になるケースであり、数日中に決済するなら最大リスクなどは絶対に被らないことになる。仮に全体の投資金額が100万円だった場合、この組み合わせ1枚づつなら10%しか最大損失とならないのだ。

仮に1日でボラティリティが超減少して半値になったとしても5%である。だから、オプションのスプレッド取引を知らない人には驚かれる事の一つに、
この取引に逆指値はさほど必要ない、という事実である。

このポジションの隠れた一番のメリットとして、最大損失額が限定されているということである。必要なら、損失額が3分の1、半分になったら逆決済すると決めていればリスクは更に減少する。発表後はボラティリティは十中八九上がるという高い確率での予想ができたからこそなのだ。そして決済のタイミングである。投票日後にポジションを放置して利益を食いつぶしてしまう、などしないよう、上がったり下がったりしたら、損失になってもその日のうちに決済すると決めていた。

今回のように、決まり切った期日があり、どちらへ行くか分からないという大変動を予想した場合、あなたは、ロングストラングルというオプションポジショニングを知っていたか?

人によっては、「リスクが少しでもある事には手を出さない」等と言っているのに、何も考えずに膨大な額の住宅ローンを契約する。数万円のリスクとは、今回のケースでは必ず失うリスクではない。その捉え方で、大きな違いが出てくるのである。オプション投資を知っていれば、他の投資家が決してマネできないような方法で利益を獲得できるのである。大変動を利用したオプションポジショニングは、このロングストラングル以外にもいくつかの違ったパターンがあり、それぞれメリット・デメリット、仕掛けのポイントが異なるので、ぜひこの機会に進んで学んでほしいと思う。

小堀 ようすけ日経225オプションプロフェッショナルトレーダー

投稿者プロフィール

日経225オプション取引のプロトレーダー。東京大学大学院新領域創成科学研究科を卒業後、某IT企業に就職。その後は、オプション取引を主戦場として、毎月多少の波はあるものの、最低でも数百万円の利益をコンスタントに出している。これまで指導してきた生徒数は2000名を超え、その卓越したセンスと指導力で受講生たちから絶大な信頼を得ている。

■公式ブログ: http://ameblo.jp/kobori-nikkei225/

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