日本のFX自動売買ソフトが抱える5つの問題点

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今日は世界と日本の自動売買(アルゴリズムトレード)の本質的な違いについて見ていきたいと思います。

あなたはFX自動売買についてどのようなイメージをお持ちでしょうか?数年前、インターネットを中心にFXの自動売買商品が大流行しました。「片手間」「ほったらかし」「素人でも資産が何倍にも増える」などのキャッチコピーで爆発的に・・・

しかし、昨今、FX商品販売サイトのランキングやFX雑誌の特集などでは自動売買はあまり取り上げられていません。ほとんどの販売サイトでは個人投資家向けの裁量トレードを学習するための教材ばかりが推奨されています。なぜ、そうなってしまったのか?自動売買システム自体がダメになったのでしょうか?いいえ、違います。

コンピュータによるアルゴリズムトレードは、2015年に日本でも東証が「アローヘッド」と呼ばれる超高速注文システムをリニューアルしたことからわかる通り、情報通信技術が上がるとともにマイクロ秒(100万分の1秒)単位の取引が進み、今では市場の6割はこのような自動売買トレードだと言われています。優秀なトレーダーたちも、どれだけ裁量トレードスキルを極めようとしてもコンピュータアルゴリズム取引には敵わないことはわかっています。それでは、なぜ、一時期流行していたFX自動売買が今では人気がなくなってしまったのか?

私が思う日本の自動売買ソフトの問題点は以下の通りです。


1.ソフト販売後は完全に放置でユーザー任せにしている

これは日本の投資商品全般に言えることなのですが、販売した後に業者がサポートをしなかったり、システムのインストールが終われば「あとはマニュアルに従って好きなようにしてください」「面倒であればVPSでも契約して稼働させっぱなしにしてください」と言っている業者など、とにかくユーザー任せの業者が多いです。

はっきり言いますが、普通の個人投資家に自動売買ソフトをコントロールさせるのは不可能です。仮に完璧なマニュアルがあってとしても、開発した業者かプロの運用チームでなければ本当に安定した管理をすることはできません。

2.販売業者がFX業者と組んで手数料を稼ぐために売っている

一時期流行っていたのが、FX業者と自動売買販売業者が代理店契約を結び、「紹介した顧客の取引高に対してのバックマージンを販売業者がもらえる」というものです。このマージン欲しさに適当な自動売買ソフトを作成して売っていたため、“取引回数だけを大量に増やして手数料を荒稼ぎする方法”で多くの投資家が犠牲になりました。

これは一番やってはいけない販売方法だと思っております。正々堂々と勝負して負けてしまうのであればまだ納得できますが、最初から勝とうとせずに取引回数だけを増やし、「顧客の資産がどうなっても関係がない」というようなスタンスで販売している業者には本当に残念でなりません。

3.システムの監視・調整を業者が行っていない

自動売買システムには「そのシステムが利益を出しやすい相場」というものがあります。例えば、レンジ相場に強いシステム、下降トレンドに強いシステムなど。だとすれば、安定したリターンを得るためにはその相場に合わせて適切なシステムを選択し、システムのスタート・ストップを管理し、ロット調整も行っていく必要があります。

考えてみてください。今の時代、大手の投資会社などでもアルゴリズム取引は当たり前のように使われているわけですが、世界的に有名なヘッジファンド等が「スタートボタンを押した後は何もせず放置」なんてことがあると思うでしょうか?

彼らは世界最高レベルの自動売買を持っています。しかし、それでも人間がそのシステムを常に監視して調整を行わないと利益を出せないくらい、相場というのは難しく変動しているのです。にも関わらず、多くの業者が販売後はパラメータ変更をすることもなくそのままの状態で使わせ続けています。たまたまタイミング良くラッキーで利益が出ることがあっても、それでは長く続くことはありません。

4.本当に利益を出し続けるには24時間365日監視しなければいけない

FX自動売買システムというものは、システム稼働中は必ずパソコンの前で状況を監視していなければいけません。日本では「ほったらかしでOK」という表現をよくしますが、実際は逆であり、「ほったらかしができないのが自動売買」です。本当にほったらかしでトレードできるのは長期保有戦略を行うトレードだけです。スキャルピングやデイトレード、そして、自動売買で取引を行う場合は片時も目を離すことはできません。

それでは、なぜ日本の業者がそのような嘘を言うのかというと、本当のこと言ってしまうと売れないからです。「24時間365日稼働中はパソコンの前に張り付く必要があります」と言われれば誰も購入しないと思いますが、これが事実なのです。

5.ブローカーによって結果が変わることをユーザーに伝えていない

FX自動売買システムの場合、注文と決済の数値パラメータはPIPS単位で決められています。(例:エントリー後に○○PIPS離れれば決済し○○PIPS離れればロスカットするなど) しかし、自動売買のプログラム数値がどれくらいのスプレッド範囲なら対応できて利益が出るのかは開発段階で細かく決めているため、もしそのスプレッドに収まっていないFX業者を使うとまったく違う結果になります。さらに言えば、ディーリングをしている業者は平気で値をすべらせますので、その時点でトレードの対象外になります。

パラメータは、基本的にノーディーリングでの取引を想定して数値が設定されています。そのためディーリングを行う業者とインターバンク直結のノーディーリング業者では、同じ自動売買の稼働をさせたとしても収益に大きく差が出てきます。特に、手数料稼ぎが目的の販売業者はFX業者と組んでマークアップを行い、通常より広くスプレッド設定していますのでなかなか利益が出せません。このことを知らない数多くのユーザーが犠牲になっています。


以上、ご覧になっていかがでしょうか?言われてみれば確かにそうだと思う部分があるのではないでしょうか?

これらの問題のせいで日本では個人投資家は恩恵を受けることができず、今では本当に“自動売買”というのものをわかっている一部のプロ投資家だけがうまく使いこなしている状況となっています。

そう簡単に誰もが本物を手に入れてしまっては相場は成り立たなくなりますからそれが世の常というものでしょうか。

次回は、そんな中で自動売買で利益を出すために必要なことをお伝えしたいと思います。

ハワイアントレーダー

投稿者プロフィール

ハワイと日本に拠点を置く為替トレーダー。スキャルピングをメインとしたトレーディングテクニックには定評がある。わずか3年で300万円の資金を3億円まで増やすことに成功し、今では日本の投資レベルの発展に貢献しようとオンラインメディアを使って為替に関する最新情報を日々届けている。

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