【週間FX相場予想レポート】クリスマス休暇を控え各通貨ペアはポジション調整か(2016/12/19~)
12月19-23日週の米ドル/円は、方向感が出にくいでしょう。局所的に価格を下げることがあっても、トレンドとして維持する可能性は低いです。
月足から時間足まで、順を追って分析します。
月足チャートは、先月非常に大きな大陽線を描いており、その流れを引き継いでいます。
20ヶ月平均線で押し戻されることなく、買トレンドを維持しています。このまま今月も陽線がつづき、長期的な買トレンドを形成することが想像できます。
【月足チャート】
週足チャートでは、6週連続で陽線が続いています。強力な買トレンドですが、RSIが70近くまで来ており、やや過熱感があります。また、ボリンジャーバンドの2σ(ピンク)と3σ(グリーン)の間を行ったり来たりしているのも、相対的な高値が続いていることを示しています。この辺で調整の一服があっても不思議ではありません。
レジスタンスライン(黄色の線)も、118円台半ばを超えるのを防いでいます。ただし、115円の節目を突破したのが大きいため、それほど大きくは意識されないかもしれません。
一目均衡表でみると、先週の上昇で雲を突き抜け、買トレンドを形成していることがわかります。この後も上昇が続くか、レンジ相場となるかはわかりませんが、すぐに売トレンドへの転換となる可能性は低いといえます。
次は日足チャートです。RSIは11月11日以降、70%以上が続いています。この買トレンドの勢いの強さがわかります。先週半ばまでは小動きが続きましたが、水曜日・木曜日に一段と上昇が続きました。金曜日は、利益確定売りが出たのか、上下にひげをつけた小陰線で終わっています。
【日足チャート】
最後は1時間足です。一度ボリンジャーバンドが収縮し、下に抜けたのですが、平均線近くまで押し戻されています。短期的には売の傾向にありつつも、中期的な買トレンドが支えているようです。ごく短期な目線でいえば、一時的にはもっと下落することも考えられます。
ファンダメンタルズから先週の流れをみると、以下のようなことがいえます。先週は、水曜日のFOMCまで様子見の展開が続きました。それまでは、米国の利上げを織り込んで、大幅な上昇をみせていました。そして、実際にFOMCでは利上げを決定、ここまでは予想通りでしたが、来年の利上げ回数予想は、市場の予想2回を上回る3回。これよって、米ドルはさらなる上昇をみせました。
今週は、影響力の強いイベントは特にありません。それどころか、クリスマス休暇に向けて、市場は段々と閑散としてくることになります。ここまでの買トレンドによる利益を確定し、安心して年末年始を迎えようと人もいるでしょう。こういったことが売の動機となるため、まとまった売り注文が入って一時的に値を下げることがあるかもしれません。それでも売トレンドを形成するほどにはならないでしょう。
年末年始のこの時期は、取引が少ない分、予測不可能な動きをすることがありますのでストップロスの設定などには注意が必要です。
トレードスタイル別の取引方針を、以下のとおり提案します。
・長期(数ヶ月~数年)トレード
買ポジションは維持。絶好の買い時というほどの割安感はありませんが、米国金利上昇についていくためのスワップ狙いの買いもありだと思います。
・中短期(数日~数週間)、スイングトレード(数日~1週間程度)
あまり活発な売買はおすすめしません。イベントもなく、年末年始が近いため、トレンドが出にくいからです。米ドル/円だけでなく、株や商品など金融商品全般に限っていえることです。
・デイトレード、スキャルピング(数分~数時間)
レンジ相場に強い手法を使うことをおすすめします。値動きは少ないことが予想されるものの、ゆっくりと着実に利益を積み重ねていくことができるかもしれません。