【週間FX相場予想レポート】米国の3月利上げはあるのか?(2017/02/27~)
2月27日-3月3日週米/ドル円相場はレンジ相場。中期的な下降トレンドへ転換の可能もあります。
テクニカル分析からファンダメンタルズ分析の後、戦略提案をお伝えします。
まずは月足から。赤三兵が出た後の中陰線で、MACDはもみ合い。2月は動きが少ない月でした。大陽線が続いていたので、上昇トレンドでの調整局面ととらえることができます。大きな買いも売りもしにくい状況です。
【月足チャート(ボリンジャーバンド3σ)・RSI・MACD】
上昇局面では、一目均衡表の雲が支えた形となりました。
週足は、下降しながらきれいな三角形を描いています。ちょうど20週平均線にさしかかり、どう動くのか注目されます。MACDが売りを示しているのが気になるところです。
【週足チャート(ボリンジャーバンド3σ)・RSI・MACD】
週足チャートもまた、一目均衡表の雲が支えています。前述の20週平均線と交わるっているところが、もうすぐレンジ相場が終わることを指しているのでしょうか。
【週足チャート(一目均衡表)】
さらに、ここで、フィボナッチ・リトリースメントを見ても、上昇局面から38.2%下げたところに来ており、節目であることがわかります。もしこのあたりをブレイクすることになれば、下降トレンドの維持を示唆します。
日足チャートを見ると、レンジ相場という印象です。ダブルトップを描いた後、そのブレイクポイントである112円台半ばから、ターゲットである111円台後半を行ったり来たりしています。MACDも弱含みながらもみ合っています。
【日足チャート・RSI・MACD】
先ほどのフィボナッチと、さらにトレンドラインを引きました。ピンクの破線は、下の111円51銭がサポートライン、上の115円57銭がレジスタンスラインです。この2つの線に挟まれたボックス相場となっています。下方にブレイクすれば、次のターゲットは107円50銭あたりとなります。中長期で買い持ちしている人は、ストップロスの置き場に注意してください。
黄色い斜めの線は、トレンドラインです。下は、先週ブレイクしたと思われましたが、上昇を維持することなく、上の線のように修正されました。115円台半ばのレジスタンスラインが強力に効いているようです。115円台半ばを超えれば、年初来高値の119円も視野に入ります。
最後は4時間足チャートです。先ほど引いたラインは残しておきました。先週は新旧2本のトレンドラインの間を行き来していましたが、サポートラインにぶつかるのも時間の問題です。下方にブレイクすれば、先ほどのとおり次の節目は107円台と、大幅な下落もありえます。
【4時間足チャート(ボリンジャーバンド3σ)・RSI・MACD】
チャートの分析は以上です。
ファンダメンタルズは、引き続きトランプ政権の政策、人事、発言、および金利の動向が注目されます。金利は早期の利上げが期待される発言もありましたが、先週のFOMCで否定されており、大きく上昇する要因がひとつ潰れました。
先週には米財務長官のムニューチン氏が「長期的なドル高は米国のためになる」趣旨の発言をしましたが、以前にも似たような趣旨の発言をしていたせいか、相場への大きな影響はありませんでした。
以上のことから、レンジ相場は終盤が近づいていると考えます。上方にブレイクしたといえるようになるには時には、115円60銭あたりのレジスタンスラインがあるため、116円台を超える必要がありますが、下方の場合は111円あたりとなっています。先週末終値は112円6銭。買で入るには勇気がいります。
トレードスタイル別戦略は次のとおりです。
・長期(数ヶ月~数年)トレード
非常に取引しづらいと思います。下方にブレイクすれば底はまだしばらく先、といってもすぐに上昇方向にブレイクするのも難しいでしょう。様子見が賢明です。
・中短期(数日~数週間)、スイングトレード(数日~1週間程度)
下方ブレイクに備えて、売りのタイミングを待ちます。買いで入る場合は、トレンドラインのブレイクを待ちますが、その場合ターゲットはレジスタンスラインの115円あたりなので、利幅は少ないかもしれません。
・デイトレード、スキャルピング(数分~数時間)
中期トレンドをよく見極めながら、急な下落についていきます。売り買いどちらも、ストップロスはしっかり置きましょう。